マーリン&エヴァンスとの出会い
MARLING & EVANSマーリン&エヴァンスというイギリスにあるメーカーが作っている素敵な生地に出会いました。染めていない、一切化学物質を使用していないウールで織られたツイードです。
目に入ったとき本当に一目惚れ。手にして離すことができなくなってしまいました。
その時はマーリン&エヴァンスのことも、無染色であることも知りませんでした。
ただただ、このウールの力強さとツイードなのになめらかな触り心地に惹かれたのです。
紳士用のジャケットを仕立てる上質な生地。ハードな質感のハリスツイードとはまた違ってソフトさと上品さを兼ね備えていると思います。
濃茶とベージュに近い茶の千鳥格子。イギリスではハウンドトゥース(狼の牙)。伝統的な柄で規則的でありながら、縦横アシンメトリーな千鳥が連なっていることで単調でない渋さのある柄だと思います。
その中でも比較的大柄な方。トラッドのきちんと感と少しの遊びを感じる柄です。
マーリン&エヴァンスとは
【引用:テーラー渡辺】
「マーリンアンドエヴァンス社は1782年にイングランドは南西にあるストラウドで設立されました。紡績・織り・仕上げの一環生産型メーカーで、19世紀にはフランネル素材で広く知られるようになり、1920年代にはロールス・ロイスが厚手のフランネル素材を車の内装に使用したことにより話題になりました。1960年代にヨークシャーのハダーズフィールドに移転後は織りと出荷前梱包・検反倉庫に特化し、仕上げは世界的にも有名なロンドンのWTジョンソンで行われています。 フランネル、サクソニー、ラムズウール、シェットランド、そして特徴的なナチュラル素材のアンダイドブリティッシュウールといった英国スタイル素材を展開しています。ジェイコブス、シェットランド、ウェルシュブラックなどの英国羊毛の天然カラーの糸を生産しています。紡績や織りの工程には染料や科学物質は使用せず、仕上げ工程でも天然石けんを使い、優れた品質を作り出し提供しております。」
調べてみて納得です。
古くから培われた技術によってウールそのものの魅力を引き出し、それを現代においても貫いている。
もともと染めていないものを自然と求めてしまうのですが、今回も無染色のウールに惹きつけられてしまったようです。
染めていないものは私の感覚かもしれませんが、繊維がもつ特徴を一番強く感じることができて魅力がそのまま残されていると思います。柔らかさ、しなやかさ、ハリ、光沢などが壊されることなくそのまま。それに包まれると、なんとも気持ちが良いのです。
こんなに素敵な生地、私の腕で仕立てられるのか。そこが一番不安ですが、チャレンジしてみたいと強く心を動かされました。