ツイードのローブコート
マーリン&エヴァンスのツイードを使ってローブコートを作りました。
裏は付けずに一枚仕立て。ひざ下10㎝ぐらいまでくるロングコートですが、軽やかでさらっと羽織れるコートになりました。
はじめこの生地を手に取ったときはノーカラージャケットとパンツでセットアップにしようと思っていました。ですが、これだけの良い生地。そして大ぶりな千鳥格子。これらの魅力をそのまま伝えるなら大きな面積のもの、コートが良いなと。
本来はメンズのジャケット生地なので、オーソドックスなジャケットが良いのでしょう。邪道な使い方かも知れません。
でも恐らくレディースにはなかなか回ってこない、使われない?生地。それで女物を作るだけでもかなり素敵。どうせなら、さらにゆるっとした羽織にしてみても良いんじゃない。
結果、この生地の持つ紡毛のハリ、滑らかな落ち感、少しの光沢、それらを十分に発揮する素敵なコートになりました。
縫製はすべて折り伏せ縫い。コートなので脱いだ時の美しさと強度を上げるために。
この折り伏せ縫いの縫い目が好きです。
肩はゆるっと落ちているのでリラックス感が出ています。
ユニセックスっぽい雰囲気ですが、一枚仕立てで体に添うので女性らしさの出る美しいラインです。
ポケットや脇、裾、袖付けなど柄合せに苦労した部分。
衿と後ろ身頃をつなぐ部分の内側にMARLING&EVANSをパイピングで入れました。生地の耳の部分です。
冒険でしたが入れて良かった。シンプルな中のちょっとした遊び。
生地の扱い、型紙配置、裁断、縫製の技術など勉強になることばかり。注意力と集中力を使い苦しかった。大変でした。
でもその分とても良い経験になりました。
生地の素敵なところを活かせるように形にする。面を立体にする。その一つ一つが楽しくておもしろい。
改めてこの瞬間が好きだなあ。
今の私に課題はいっぱいありますが、完成した喜びがとても大きいです。挑戦して本当に良かった。楽しい!
この気持ち大切にしたい。