裁断
リネン生地の裁断を行いました。
ここに来るまでに長い長い工程を経て完成した美しい織りものたち。
そこへ鋏を入れるのは、とても勇気がいります。
ジャキッジャキッと繊維を切っていく音は気持ち良くもありますが、無駄にしないようにと緊張します。
曲線と直線、どちらもそれぞれ難しい。
洋服の場合は曲線が多く、きれいに線を引くことも難しいのに、切るのはさらに難しい。
バックはものによると思いますが、直線が多く、布目に沿って裁断できるかで出来上がりが変わってきます。
大きな一枚の布だったものが、ここで一気にバッグや洋服のパーツになりました。
終わってほっと一息といきたい所ですが、床は繊維だらけ。
水通しである程度は落ちたはずの糸埃ですが、作業をするとどうしても出てきます。
生地屋の店主さんが、「生地の埃ってすごいでしょう。気を付けて掃除するんだけど窓ガラスがすぐ埃まみれになっちゃうんだよー。」とおっしゃっていました。
そのお店はいつ伺っても、生地がきれいに並べられていて整理整頓が行き届いているのです。
きっといつも掃除して心地よい空間を保ってくださっているのかな。
そんな店主さんに大事にされている生地たちは、なんだか幸せだなと思います。
だからまたそのお店に行きたくなってしまうのかもしれません。