水通し

次に製作するリネン生地を水通しと地直ししました。
何かを製作するとき、縫製に目が行きがちですが、実際は「縫う」工程は最後の仕上げの一歩手前ぐらいな感じ、少なくとも後半戦です。言い過ぎかもしれませんが、それぐらいその前の工程がとても重要ですし、手間と注意力を必要とします。

生地を手に入れて、まず初めにすることは水通し。
たっぷりの水に数時間から一日生地を浸けます。これにより使用後の洗濯による縮みや変形を抑えられますし、手元に来るまでの生地の間にかぶってきたほこりを落としてさっぱりきれいになります。場合により洗濯機に軽くかけることもあります。
その後、絞らずにそのまま陰干しします。始めはボタボタと垂れていた水滴もリネンなので比較的早めにおさまって、しっとり~半乾きの間に取り込みます。

次は地直し。
水気を含んだ状態の生地にアイロンをかけて布目を整えていきます。生地の状態にもよりますが、織り、輸送、保存、水通し、洗濯などにより布目が歪んでいる場合があります。その布目を、縦糸と横糸が直角に交わるように整えながらアイロンで固定していきます。
その状態で完全に乾かして生地の下準備が完成します。

この工程、とても地味ですが意外と体力と神経を使います。でもこの工程を経て、これから製作するための心準備をする大切な時間な気がします。

さて次は裁断。